フランスなどの海外ではメディカルアロマを代替医療として積極的に活用しています。科学的な研究が進み臨床データもある程度揃っていることもあり、日本でも代替医療や補完医療として認められるようになりました。特に、心療内科や産科・婦人科などでは緩和ケアの1つとして導入しているようですね。心療内科では鎮静作用や抗不安作用の効果が認められる精油をパニック症状や不眠症などの症状緩和に活用しています。一方、産科・婦人科ではリラックス効果のある精油を出産前のストレス軽減や産後の疲労感と筋肉痛の緩和に活用しています。「メディカルアロマ」と一口にいっても活躍の幅は多岐に渡っていることがわかります。
メディカルアロマの効果に大きな期待を寄せているのが終末医療の分野です。メディカルアロマで使用している精油に病気そのものを治す力はありませんが、治療にともなう苦痛を緩和し穏やかな日々を過ごす一助になるとして多くの病院で導入するようになりました。
このようにメディカルアロマは医療の現場でも広く認知されるようになってきました。患者さんと接する機会が多い看護師の間でも注目を集めていますが、看護師がメディカルアロマの資格を取得することで一体どんなメリットが得られるのでしょうか?
まず考えられるのは「スキルアップ」です。患者さんと接する機会が多いので「何かしてあげられることはないか」と思いながら働いている看護師も少なくありません。精油を用いてマッサージなどを行うメディカルアロマはそんな看護師にピッタリ。心身の緊張や症状を緩和する効果があるメディカルアロマを勉強することで看護師としてのスキルアップにもつながりますよ。
また、メディカルアロマを勉強することで視野も広がります。実際、メディカルアロマの資格を取得したことがきっかけで病院から訪問看護ステーションに転職した、という人もいます。看護師不足ということもあり他の職種に比べれば職探しに困ることはありませんが、メディカルアロマの資格を持っていれば活躍の場も増えるため、より自由な働き方が選べますよ。理想の看護が実現できる職場に転職することもできるでしょう。
それに、メディカルアロマは施術を受ける患者さんだけでなく施術する側の看護師にも癒やし効果があります。知識やスキルがあれば自分のストレスケアもできるのでメンタルの不調に悩む前に対処することができますよ。「患者さんのために」という想いがきっかけになったかもしれませんが、自分自身にもよい効果をもたらすので勉強していて損はないでしょう。