介護業界では除菌やストレスケアにも活用

介護業界では除菌やストレスケアにも活用

認知症対策として注目

介護業界でもメディカルアロマの有用性に注目しています。メディカルアロマの持つ香りの癒やし効果は、香りそのものを意識できなくても威力を発揮します。鼻から吸入することで大脳辺縁系に届くのでいつの間にか効果が表れているんですね。
認知症対策にアロマテラピーが有効だという研究結果もあります。30年以上認知所の研究に携わってきた鳥取大学医学部の浦上克哉先生の研究によると、認知症の患者さんにアロマテラピーを用いた治療を行ったところ認知機能の改善が認められたそうです。また、認知症予備軍の人たちにも回復の効果があったのだとか。朝と夜では精油の組み合わせを変えるなどさまざまな研究を行い、その結果、朝はローズマリーとレモン、夜はラベンダーとオレンジの組み合わせが一番効果があったようです。朝は交感神経を刺激して脳を活性化する精油が、夜は鎮静やリラックス効果がある精油がよい影響をもたらしたのでしょう。

導入する介護施設が増えている

認知症の患者さんは時間の感覚も曖昧になりがちです。今が夜なのか、それとも朝なのかわからないといったことも珍しくはないんですね。ですが、朝は脳を活性化させる香りを、夜はリラックス効果がある香りを漂わせることで朝と夜の認知ができるようになった、という成果もあります。また、「不眠に効果のある精油を用いたら朝までぐっすり眠るようになってナースコールが減った」「食欲が減退している高齢者にアロマを用いたら食事を残す量が減った」といった報告もあります。
このように、メディカルアロマを導入する介護施設は徐々に増えつつあります。介護施設でメディカルアロマを導入するのは当たり前となる時代もそれほど遠くないのかもしれませんね。メディカルアロマを導入するには専門の知識とスキルを持った人が必要です。介護士がその知識を身につけることができれば、活躍の場はさらに広がることでしょう。「介護が必要になった高齢者に少しでも何かできることはないか」と考えているならメディカルアロマを勉強することをおすすめします。

除菌や消臭にも効果あり?!

「メディカルアロマ=代替医療・補完医療」という側面が強いこともあり、薬や手術の代わりに用いるものと考えている人も少なくありません。ですが、衛生管理にも役立つんです。
介護施設には排泄介助が必要な高齢者もいますが、オムツ交換の時はどうしてもにおいが気になってしまいます。仕方がないことですが、薬品を使うのは抵抗がありますよね。ですが、植物の成分を由来としているメディカルアロマなら薬品ほど抵抗感がないので導入しやすいのではないでしょうか。実際、メディカルアロマには悪臭対策や消臭、感染予防や空気清浄の効果があると科学的にも認められています。においも気にならなくなりますし、よい香りにふれることで介護をする人たちの癒やしにもなります。

注目を浴びているメディカルアロマ