まずカウンセリングを行います。患者さんに最適なアロマオイルを選択するためには心と体の状態をよく知らなければなりません。患者さんの悩みや不調を丁寧に聞き出していきますが、何でも話してくれるとは限りませんよね……。施術のためとはいえ、悩みを他人に話すのは勇気がいるものです。カウンセリングは患者さんの気持ちに寄り添いながら行うため、セラピストにはコミュニケーション能力が求められています。
ヒアリングを終えたら次はアロマブレンディングを行います。メディカルアロマでは純度が高い精油を用いるので、専門的な知識が必要です。なぜなら精油のブレンドはとても奥が深いから。サラッとした知識では数ある精油の中から患者さんの状態に合うものを選び調合することはできませんよ。プロレベルの知識があるから患者さん1人ひとりに最適な精油を選ぶことができるんです。例えば、肩こりに悩んでいるならオレンジとジュニバーを、不眠に悩んでいるならベルガモットとラベンダーを、月経前症候群に悩んでいるならイランイランとゼラニウムを、といったように状態を見ながらブレンディングしていきます。
アロマブレンディングが終わったら実際に施術していきます。施術方法は主に3つあり、その中から患者さんに合うものを行います。1つずつ詳しく説明していきますね。
まずはボディトリートメントです。調合したアロマオイルで体全体をマッサージしていく施術のことで、心身の緊張がほぐれアロマオイルを効率良く皮膚から吸収できます。
2つ目はリフレクソロジーです。リフレクソロジーはいわゆる足裏のマッサージのこと。足の裏をまんべんなく刺激することで体の機能改善やリラックス効果が得られるというものです。アロマオイルの香りが脳に癒やしと刺激を与え、心身の不調を改善していきます。
3つ目はメディカルハーブ処方です。状態改善につながるハーブティーを患者さんごとに調合し、飲み方をアドバイスします。
メディカルアロマの効果を継続するには施術だけでなく患者さん自身が行うことも大切です。そのため、患者さん自身ができる治療の方法をアドバイスすることもあります。これをセルフメディケーションといいますが、時にはメディカルアロマ以外のアドバイスをすることもあります。例えば、不眠に悩んでいる患者さんにはベルガモットとラベンダーを調合したアロマオイルでマッサージやリフレクソロジーを行いますが、ハーブの効能に頼るだけではなく、生活習慣の改善を促すなどさまざまな視点でアドバイスしていきます。